今頃また日本選手権とは遅すぎるけど

今頃また日本選手権とは遅すぎるけど、面白いコラムを見つけました。
ミズノのサイトにある永田 洋光氏のコラムです。
「試合を細かく見れば、すべてにおいてハイレベルとは言えない内容だったが」と辛口ですが、トヨタ対NECの日本選手権決勝を冷静に語っていて、とても興味深い内容でした。

この試合を分けたのは、両チームのバックスの大局観の差だった。

として、トヨタのCTB難波の判断のミスを分析し、

トヨタのバックスには全体的に「早く外へ」という意識が過剰で、それがNECの防御を楽にした。象徴的なのは時間にして4分、フェイズにして18次(17回密集でボールをリサイクルして18回目にパイルアップとなった)に及んだロスタイムの反撃だ。

と最後の息づまる4分間の解説に入ります。トヨタのWTBセコベ・レアウェレが熱くなりすぎて持ち味を活かせなったとの指摘です。続きは、上記のリンクでゆっくりお読み下さい。

蛇足ですが、この永田氏のコラムには他にも面白いものが結構ありますよ。
一つだけ例をあげます。
「ゲーム・コントロールとは何か?」というタイトルで、04年10月30日の三洋対神戸製鋼戦、東芝対NEC戦を語っています。

ちなみに、この夏、南アフリカを南半球王者に導いたSOヤコ・ファンデルヴェストホイゼンもこの試合に出場していたが、PGで4点差に追い上げた残り10分間で、バックスのディフェンスをNEC流のじっくり相手を見定めるシステムから、南ア流の早く鋭く前に出るシステムに切り替え、地域を刻んで時間をつぶしたい東芝バックスにプレッシャーをかけ続けた。実際、東芝はSO島崎正吾が自陣でキックをチャージされてピンチを招き、大量の冷や汗を流す羽目に陥った。得点差、時間、地域といった要素を考えながらディフェンス・システムをいきなり変更し、それをユニットとしてやってのけた辺りは、敗れたとはいえNECの実力の高さを示している。勝利に結びつかなかったとはいえ、これもまた不利に傾いたゲームを有利な流れへと逆転させるための、大切なコントロールなのである。
 かように今季のトップリーグは奥が深く、見ていて面白い。そして、それはまた、ラグビーという競技の奥深い面白さでもある。

なかなか深くて「アームチェア・ラガー」向きですよね。
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