日本選手権 準決勝

今日、日本選手権準決勝が行われました。先週、トヨタを破る金星をあげた早稲田が、東芝府中と対戦。秩父宮は1万7千人を超える観客。トップリーグMS杯を制した東芝はさすがに強く、今週の早稲田はラインアウトでも苦戦。それでも前半終了間際までは7-0と食い下がります。ハーフタイム直前に1トライを追加されたものの、前半は12-0で折り返し。なかなかの健闘でした。
とは言え、東芝の薫田監督がハーフタイム談話で語ったように「ボディブローが効いて」後半は徐々に東芝への流れが強くなります。後半に5トライを追加して、43-0でのノーサイド。「早稲田にもうちょと頑張って欲しかった。惜しかったな」という気持ちと、「トップリーグ覇者が大量得点で勝つのは当然」という気持ちの、どちらもが本音と言う感じ。学生は通常は外国人選手とのレベルの高いブレイクダウンを経験する機会が圧倒的に少ないのに、早稲田はよくここまで戦えたと思います。将来のJAPANのレベルアップのためにも、学生レベルからもっと高いレベルの試合を増やして行けると、もっともっと面白くなっていくのではないかと思いました。

もう一試合はNEC三洋電機。昨年9月のトップリーグ開幕戦でこのカードは同じ花園で戦われていて、その時は31-21で三洋が勝利していました。
三洋はもとオールブラックストニー・ブラウンが帰って来たこともあり、非常に厳しいディフェンスとキックを続け、前半30分過ぎには超大型WTB角濱選手がトライも決めて、前半は13-3と三洋リードに終わりました。(角濱選手は190cm、90kgです。デカッ。普通はこのサイズはロックかバックローで、バックスリーではないですよね。)
NECは後半になって少しずつ歯車がかみ合い始め、PGからのモールでの箕内のトライ、FB武井の素晴らしい走りによるトライと得点を続け、17-13と逆転しました。ところが後半30分頃には三洋トニー・ブラウンの冷静なDGが成功。17-16とわずか1点差に詰め寄られます。息詰まるような熱戦が続きましたが、ロスタイムを迎える中でNECが執拗なモール攻撃をゴール前で繰り返し、このままノーサイドとなって辛勝かと思われました。すると、最後の瞬間に右に展開。後半WTBで途中出場したシェイン・オースティンが右中間に飛び込んでトライ。安藤のコンバージョンも決まって最終的には24-16でノーサイドとなりました。
シェインは昨年10月末の神戸製鋼戦でもロスタイム逆転トライを決めてくれましたが、今日の試合でも最後にきっちり鋭い働きを見せてくれました。
これで決勝の相手は、東芝府中トップリーグでは1月9日に20-5と勝利したものの、MS杯では逆に23-10と借りを返された相手です。来週の日本選手権決勝では、ぜひ今度はNECが借りを返して、日本選手権連覇し、東芝の3冠を阻止して欲しいもの。秩父宮で応援しないと!